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名詞 文法 英語を学ぶ

「英語文法のお時間です」英語の文法:名詞 抽象名詞

2018/03/21

抽象名詞とは

抽象名詞とは、性質や動作、状態を表す
抽象概念をさす名詞です。

分かりやすくいうと、
目に見えないもの、実際に触ることのできないものです。

具体的には
「love(愛)」「power(力)」
「experience(経験)」「pain(痛み)」「peace(平和)」
などが抽象名詞にあたります。

これらは数えられず、常に単数系で扱われます。

抽象名詞と普通名詞は表裏一体

※ここから先はやや上級者向けなので、初心者の方は飛ばしても大丈夫です。

この抽象名詞ですが、
ちょっとやっかいなことがあって、
話者の主張や扱い方によって、
普通名詞になることがよくあります。

抽象名詞が普通名詞として扱われるパターン

例えば「困難」というのは、
それ自体を見たり、触ったりできないので、抽象名詞ですね。

「困難」を抽象名詞のまま使って、
例えば
「私たちは困難のすえ、それを何とか成し遂げた」と言ってみると
「We managed to accomplish it with difficulty」となります。

この場合の「困難」とは、
漠然と困難があった、ひどく苦労したことを表しています。

一方で、
話者が「困難」を
「解決しなければならない具体的な問題や苦労」
という含みで考えている場合や、
後に、苦労した話を一つ一つ語ろうとしている場合などは、
この「困難」を普通名詞として扱うことも可能なんですね。

その場合、例えば
「We had a lot of difficulties to accomplish it」、
「私たちは、それを達成するのに、たくさんの困難を抱えていた」
となります。

抽象名詞が普通名詞として扱われる場合、可算となり、複数形にもなる

通例数えない、
複数形になるはずのない抽象名詞が、複数形になっていますね。

全ての抽象名詞、普通名詞が当てはまるわけではないですが、
このように、
話者の思うところ次第では、
抽象名詞は普通名詞になることがよくあるので、
注意が必要です。

普通名詞が抽象名詞として扱われるパターン

また、逆のパターン、
つまり、
普通名詞が抽象名詞として使用される場合です。

例を挙げてみましょう。

「The pen is mightier than the sword」

これは、
リットンの言った、有名なことわざで、
訳せば「ペンは剣よりも強し」となりますね。

まず、
ここでいわんとする「ペン」と「剣」とは、
ものとしてのそれらを指しているのではなく、
それぞれ、「言論」「武力」を指し、
比喩として、概念的につかわれています。

普通名詞が抽象名詞として扱われる場合、不加算となり、単数のみ

文法的な見地からも、
「ペン」「剣」が、
普通名詞として漠然と全体をさしたものであれば、
「pens are mightier than swords」
とならなければおかしいですね。

普通名詞が、
漠然と全体をさす場合は複数になるって
という方はこちら。

話者の意図や、示す内容次第では、
抽象名詞が普通名詞としてつかわれる、
また、その逆もあり、
これら二つの名詞は表裏一体といえます。
ともなって、少し注意が必要です。

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